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心配なのは強い遠視と乱視です


  
特集 『子どもの健康を考える』より  浦田謙二

Q.眼科医の立場から ご覧になって、今の子どもの目の何が問題なんでしょうか?

 A.以前から、目が悪いイコール近視のように言われていますが
実はそうではなくて、心配なのは強い遠視や乱視なんです。
近視は近くの物にはピントが合って見えますが、強い遠視や乱視は どこにも
ピントが合っていません。
ぼやけたTV画面をずっと見ているような状態なんです。
小学生の時期は視力が完成するときで、10歳くらいまでに視機能が発達しないと
取り返しがきかなくなります。



Q.子どもが どんなしぐさをすると注意が必要ですか?

 A.顔をかしげたり、近づけたり、歪めたりして見る、顔の位置がおかしい、
強いまばたきをする あるいは、目を細めたり、目つきが悪かったりする、
こんなときは注意が必要です。



Q.目の状態がわかる簡単な方法はありませんか?

 A.まず、遠くの物が見えるかどうかです。
例えば、飛行機や鳥が飛んでいれば、どちらの方向に飛んでいるか尋ねてみてください。
次に、今のとは逆に本の文字など、近くの物が見えるかどうかです。
ただし、この場合必ず片目ずつテストして下さい。
一方が悪くても片方が良い場合、見える方の目で見てしまい、悪い方の目が
見落とされがちです。
両眼ともに発達しないと立体感が出てきませんので、片方ずつ試すようにして下さい。



Q.子どもの視力低下を防ぐために、家庭で注意する点は?

 A.家庭にはTVやゲームがありますし、本を読んだりドリル等の勉強もしなければ
なりません。
近い所ばかり見る機会が多く、現代社会は目にはつらい時代です。
ですから、目を疲れさせないために、読書は明るい場所や正しい姿勢でするとか、
TV視聴やゲームは長時間続けずに休憩をはさむとか、
以前から言われているそうした事も大事です。
ところで、日常生活に少しでも不自由を感じるなら、メガネを試してみる必要があります。
教室で黒板が良く見えないでいる状態は、子どもにとってはとても負担です。

メガネは、近視の場合は遠くを見るための補助用具にもなりますし、
遠視や乱視の場合は視力を矯正するための治療用具になります。
ただし、初めてのメガネは大切ですから、時間をかけて本当の視力を調べてから
作るようにして下さい。